「痩せようと頑張っていてもなかなか痩せられない」
「食欲が抑えられずダイエットできない」
上記のように、ダイエットでお悩みがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
GLP-1は食欲を抑える作用がある薬でダイエットとして利用する方も多くおり、無理なくダイエットできることで注目されています。
本記事では、GLP-1ダイエットの効果や痩せない原因について解説します。
今後、GLP-1ダイエットを検討している方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
この記事の目次
GLP-1とは
GLP-1は元々人間の体内に存在しているホルモンであり、血糖値を下げる役割を持ちます。
食べ物が小腸に達したときに分泌され、血糖値を下げてくれます。
万が一、GLP-1がなければ血糖値が上がるまで膵臓はインスリンを出すことはできません。
健常者の場合でも食後は血糖値が急上昇するでしょう。
一方、GLP-1受容体作動薬は、自己注射によりGLP-1によく似たホルモンを注入する方法です。
GLP-1を補うことにより膵臓からのインスリン分泌を促進させて、グルカゴン分泌を抑制して血糖値を低下させます。
ただし、空腹時には作用しないため、低血糖を起こりにくくします。
また、インスリンを体内で分泌させて血糖値を下げることで、食欲を抑制することも可能です。
参考:GLP-1 受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について|厚生労働省
GLP-1のダイエットの効果
GLP-1ダイエットを行うことにより得られる効果は大きく分けて4つあります。
- 体重が減る
- 食欲が低下する
- 満腹感が維持される
- 脂肪分解を促進する
以下では、各ダイエット効果について解説します。
体重が減る
GLP-1ダイエットをすると体重を減らすことができます。
GLP-1ダイエットは、体内にGLP-1受容体作動薬を取り込んで血糖値を下げます。
食欲が抑えられると自然と摂取カロリーが減り、血糖値が上がりにくく、体重も落ちていきます。
GLP-1ダイエットをすると2週間〜1ヶ月程度で効果が現れ、徐々に体重の変化も実感できるでしょう。
食欲が低下する
GLP-1ダイエットでは、自然と食欲が低下していくため過度な食事制限の必要はありません。
GLP-1を投与すると胃の動きが抑制されて自然に食欲が抑えられます。
そのため、普段の食事量よりも少ない量で満腹感を得られるでしょう。
GLP-1の効果で食欲を落とすことができれば、無理に食事制限をしなくても体重を落とすことができます。
満腹感が維持される
GLP-1ダイエットは、満腹感を維持できるため、空腹を感じることが少なくなります。
GLP-1受容体作動薬を投与すると、満腹中枢が刺激されて空腹を感じにくくします。
また、胃から小腸へ食べ物を消化する動きが緩やかになることで、満腹感を持続できるでしょう。
通常のダイエットでは、カロリーを減らすために摂取カロリーを減らさなければいけません。
しかし、食事制限をするとストレスが溜まり、過食してしまう可能性があります。
一方、GLP-1ダイエットであれば空腹を感じにくいことから、無理せずダイエットを続けられるでしょう。
脂肪分解を促進する
GLP-1は、食後の血糖値の上昇を抑える効果があることにより、脂肪分解を促進させます。
脂肪分解と熱産生を促進させる作用により、内臓脂肪が燃焼を促して基礎代謝をアップさせる効果を持ちます。
そのため、同じ食事量でも脂肪がつきにくくなり、ダイエット効果を実感しやすくなるでしょう。
GLP-1ダイエットをするメリット
GLP-1ダイエットをするメリットは6つあります。
- 体重が減りやすくなる
- 欧米では承認を受けているため安心
- 手軽に利用できる
- 生活習慣病を予防できる
- 通院がほとんどいらない
- 食事制限が必要ない
以下では、各メリットについて解説します。
体重が減りやすくなる
GLP-1ダイエットは、食欲を抑制して満腹感を高める効果があり、体重が減りやすいことが特徴です。
食事を摂取した後にGLP-1が増加することで、食欲を抑えて食事量を減らすことができます。
そのため、自然とカロリー摂取量が抑制されて体重を減少させられるでしょう。
また、GLP-1は脂肪分解を促進し、脂肪細胞からのエネルギー利用を促すことで、脂肪の減少を促進して体重減少をサポートします。
そのため、体重減少を促進するための手段としても、GLP-1ダイエットは注目されています。
欧米では承認を受けているため安心
GLP-1ダイエットは、欧米では肥満治療薬として承認されており、安全性が確認されているため安心感があります。
アメリカや韓国、ヨーロッパではGLP-1注射が有効的な肥満治療法として利用されており、効果と安全性が高く評価されています。
承認薬を使用してりGLP-1ダイエットを取り入れれば、医学的に裏付けられた方法で健康的に体重を減少できるでしょう。
また、日本でもGLP-1受容体作動薬は糖尿病治療薬として認可されており、安全性と効果は確認されています。
手軽に利用できる
GLP-1ダイエットは、手軽にできることも人気のポイントの一つです。
GLP-1受容体作動薬は医師による処方で手に入れることができ、錠剤を摂取するかお腹に自己注射することで効果が得られるダイエットです。
GLP-1の注射は細くて痛みも少ない針が使用されているため、痛みが心配な方でも簡単に使用できます。
副作用も比較的少なく、1日1回投与するだけで効果が得られてストレスを感じることも少ないでしょう。
生活習慣病を予防できる
GLP-1受容体作動薬は、内臓脂肪の燃焼を促進する効果があります。
そのため、内臓脂肪を減少して高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを軽減可能です。
内臓脂肪はとくにメタボリックシンドロームの原因の一つとされており、内臓脂肪が蓄積すると心血管疾患や糖尿病のリスクが高まります。
しかし、GLP-1ダイエットを行うと内臓脂肪の減少が期待でき、結果的に生活習慣病の予防につながるでしょう。
通院がほとんどいらない
GLP-1ダイエットは、通院がほとんど必要ないことが魅力です。
GLP-1ダイエットは、一般的に治療開始してから1回〜2回程度通院するだけでよく、定期的な通院が不要です。
クリニックを予約する必要もなく移動時間もかからないため、通院に時間を割けない方も無理なくGLP-1ダイエットを開始し、続けられるでしょう。
食事制限が必要ない
GLP-1ダイエットは、自然に食欲が抑制されることにより、食事制限が必要ありません。
GLP-1受容体作動薬を投与することで、消化が緩やかになり、食事も少量で満腹感が持続するようになります。
通常のダイエットであれば、食事制限は体重を減らすうえで必要不可欠です。
しかし、GLP-1ダイエットは食欲を無理に我慢している感覚がないため、ストレスを感じることなく自然に減量できるでしょう。
GLP-1ダイエットのデメリット
GLP-1ダイエットには多くのメリットが存在しますが、もちろんデメリットもあります。
メリットだけに目を向けてしまうと、GLP-1ダイエットに失敗する可能性があるため、事前にデメリットについて理解することも重要です。
GLP-1ダイエットのデメリットは以下のとおりです。
- 自己注射が痛い
- 痩せるスピードが緩やか
- 治療費がかかる
以下では、各デメリットについて解説します。
自己注射が痛い
GLP-1ダイエットは基本的に自己注射が必要であり、人により痛みを感じる場合があるでしょう。
GLP-1ダイエットでは、GLP-1受容体作動薬という注射剤が使用され、皮下注射として自己投与することにより効果が得られます。
注射針の挿入に伴う痛みや違和感は、注射のたびに繰り返されることにより、ストレスや不快感を引き起こす可能性があります。
とくに、初めて自己注射をする人や注射に慣れていない人にとっては、不安や恐怖が増大することもあるでしょう。
また、注射する部位により痛みや違和感を強く感じる場合もあります。
皮下注射は一般的にお腹や太ももの外側に打ちますが、これらの部位は皮膚が薄く、神経や血管が近いため痛みを感じやすいかもしれません。
さらに、注射剤によっても痛みの感じ方は異なります。
一部のGLP-1受容体作動薬は、注射の際に痛みを軽減するための特殊な針や注射器が用意されていますが、それでも痛みを感じることもあります。
自己注射が痛い場合、GLP-1ダイエットを続けることが難しくなる可能性も高いため、痛みを軽減する方法について医師に相談してみるといいでしょう。
痩せるスピードが緩やか
GLP-1ダイエットは、痩せるスピードが緩やかであることがデメリットに挙げられます。
GLP-1は食欲を抑えて満腹感を高める効果がありますが、個人差があります。
とくに初期段階では、身体に対してGLP-1の感受性が異なるため、効果が現れるまで時間がかかることがあるでしょう。
さらに、GLP-1ダイエットは、徐々に食事制限やカロリー摂取量の調整を行わなければいけません。
急激な体重減少を目指すのではなく、健康的で持続可能な減量を目指すため、食事や生活習慣を整えることが大切になります。
そのため、痩せるスピードが緩やかになり、効果を実感できないという場合も考えられるでしょう。
治療費がかかる
GLP-1ダイエットは体重減少の効果はありますが、治療費がかかることがデメリットに感じる方もいらっしゃるでしょう。
GLP-1ダイエットをするには、特定の薬剤が必要です。
GLP-1受容体作動薬は医師の処方箋が必要であるため、定期的に医師の診察や処方箋を取得しなければいけません。
GLP-1ダイエットに使用される薬剤は効果であることが多く、日本では保険適用外です。
そのため、治療費がかかることが負担に感じる方もいらっしゃるでしょう。
錠剤であれば月8,000円〜、注射であれば25,000円〜が費用目安です。
GLP-1ダイエットで成功するには
GLP-1ダイエットは食欲を抑えてくれる効果がありますが、必ずダイエットに成功するというわけではありません。
ダイエットに成功するためには、以下のことを心がけましょう。
- 運動を心がける
- アルコールを控える
- 水分補給をする
- 医師の指示に従う
以下では、GLP-1ダイエットに成功するためにできることについて解説します。
運動を心がける
GLP-1ダイエットを成功させるためには、運動を心がけましょう。
GLP-1受容体作動薬により食欲が低下し、自然と摂取カロリーは減少しますが、運動をしなくてもいいというわけではありません。
全く運動をしなければ筋肉が減少し、基礎代謝が低下してしまう可能性が高まります。
基礎代謝が低下すると痩せにくい体になり、リバウンドしてしまうかもしれません。
リバウンドを防ぐためには、無理なく運動続けることが重要です。
毎日30分程度のウォーキングやヨガなどの有酸素運動を取り入れると、筋肉を維持しながら基礎代謝を高められます。
適度に運動を行うことで体重を減らすだけでなく、健康的な身体を維持できるでしょう。
アルコールを控える
アルコールの摂取量を控えることもダイエットに成功する秘訣です。
アルコールを飲みすぎると膵臓に負担がかかり、GLP-1注射の効果に影響を及ぼす可能性があります。
とくに空腹の状態でアルコールを摂取すると、低血糖になるリスクが高まります。
GLP=1受容体作動薬を投与している場合は、通常よりも食事量が減少しているため、アルコールの摂取量にはとくに注意が必要です。
また、アルコールにはカロリーが含まれているため、摂取カロリーが増えてダイエットの妨げになるかもしれません。
そのため、GLP-1ダイエットを成功させるためにも、アルコールの摂取は控えるようにしましょう。
水分補給をする
水分補給を心がけることも重要なポイントです。
GLP-1受容体作動薬を投与すると胃や腸の働きが鈍くなり、便秘のリスクが高まります。
便秘は体重を減少を妨げる原因です。
そのため、定期的に水分補給をして便秘を防ぐ必要があります。
ただし、高カロリーなジュースやカフェイン入りの飲み物はダイエットの妨げになるため、避けるようにしてください。
代わりに、白湯やノンカフェインのお茶を選ぶと便秘防止にもつながり、血行を促進して代謝をサポートしてくれます。
適度な水分補給は体重減少を効果的にサポートするため、効率よくダイエットするための一環として取り入れるといいでしょう。
医師の指示に従う
GLP-1ダイエットを行う際は、必ず医師の指示に従いましょう。
医師は患者様の健康状態や個人のニーズを考慮して最適なダイエット計画を立てます。
GLP-1受容体作動薬の適切な投与量や服用方法を決定し、副作用や健康リスクを管理するためのサポートしてくれます。
また、医師は患者様の進捗を確認しながら行ってくれるため、必要に応じて治療計画を調節してくれるでしょう。
GLP-1ダイエットは個人の体質や健康状態により効果や適応が異なるため、医師によるサポートが重要です。
さらに、医師はGLP-1受容体作動薬を処方するだけでなく、必要に応じて栄養指導やライフスタイルに関するアドバイスをしてくれます。
医師の指示に従うことで適切な食事や運動計画を実行し、ダイエット効果を最大化することも可能です。
わからない点や不安な点があれば医師に相談することもできるため、GLP-1ダイエットを行う際は医師のサポートを受けるようにしてください。
GLP-1ダイエットで痩せない原因
GLP-1ダイエットを行ってもなかなか痩せないという方もいらっしゃるでしょう。
GLP-1ダイエットで痩せない原因として考えられるのは以下のとおりです。
- 食生活が偏っている
- 運動不足である
- 摂取カロリーが多い
以下では、各原因について解説します。
食生活が偏っている
食生活が偏っている場合、GLP-1ダイエットに失敗する可能性が高まります。
とくに糖質を過剰に摂取すると、血糖値が上昇してインスリンが分泌され、脂肪の蓄積が増大します。
さらに、食事のバランスが悪い場合、体内の代謝が円滑に行われず、脂肪が効率的にエネルギーとして利用されることなく蓄積されてしまいます。
たとえば、食事が偏って栄養素が不足している場合や過剰に脂肪や糖分を含む食品を摂取している場合は、脂肪が蓄積されやすくなるでしょう。
GLP-1ダイエットを行う際は食事内容や摂取カロリー、栄養バランスを見直し、健康的な食生活を心がけると体重減少を期待できます。
運動不足である
運動不足の場合、GLP-1ダイエットで痩せない可能性が高まります。
GLP-1受容体作動薬により食事量を減らすだけでは体重は減少しにくいです。
栄養をバランスよく摂取したうえで運動を習慣づけると、代謝が促されて体重が減少します。
運動は脂肪燃焼を促進し、筋肉を増やすことで基礎代謝を向上させられ、体脂肪の減少や体重のコントロールが可能になります。
運動不足はGLP-1ダイエットを失敗に導くだけでなく、健康リスクの増大にもつながるため注意が必要です。
摂取カロリーが多い
GLP-1受容体作動薬を投与しても、摂取カロリーが多い場合はかえって太る可能性があります。
GLP-1受容体作動薬は食欲を低下する効果が期待できますが、食べても太らないというわけではありません。
摂取カロリーが多い、または感触が減らないなどにより、ダイエット前と同じようにカロリーを摂取してしまうと減量効果は期待できません。
そのため、食欲を低下させる作用を利用して食事量を調節する必要があります。
また、GLP-1ダイエットでは、並行してカロリー摂取量を減らすことが重要です。
食事内容や食べる量を見直し、過剰なカロリー摂取を防ぐことでダイエット成功につながるでしょう。
GLP-1を投与する方法
GLP-1ダイエットには、自己注射の方法と錠剤を服用する2つの方法があります。
以下では、各GLP-1を投与する方法について解説します。
1日に1〜2回、または週に1回自己注射する
GLP-1ダイエットの注射薬には、1日に1〜2回投与するものと週1回投与するだけで効果が得られるものがあります。
GLP-1ダイエット注射は食事の影響を受けないため、食事前や食後のどちらに投与しても問題ありません。
また、週1回の注射薬は、とくに毎日注射が難しい方や手間に省きたい方に向いているでしょう。
ただし、投与頻度により副作用や効果にも違いがあります。
たとえば、1日に1〜2回注射する場合は、効果がより安定して現れますが、副作用も人により現れやすい可能性が考えられます。
一方、週1回の注射薬は副作用の発現リスクが低いですが、効果が不安定になることもあるでしょう。
また、基本的に自己注射であるため、注射に慣れる必要があります。
皮下注射であることから特別な知識や技術は必要ありません。
しかし、注射の痛みや針が苦手な方は投与するのに手間がかかり、不安や緊張を抱く方もいるでしょう。
自己注射の場合、医師により指導があるためとくに問題はありませんが、不安な方は無理せず飲み薬を選択してください。
錠剤は1日1回服用する
GLP-1を投与する方法の一つに、錠剤を1日1回服用する方法があります。
自己注射とは異なり、薬を飲むだけで効果が得られるため、注射が苦手な方にもおすすめです。
1日1回決まった時間に錠剤を服用するだけで効果を得ることができ、外出先や宿泊先などでも簡単に投薬可能です。
ただし、錠剤を服用してからは30分〜2時間程度は飲食が禁止されています。
また、継続して服用する必要があるため、飲み忘れないように気をつけなければいけません。
使用方法が適切でない場合、GLP-1の効果が発揮されないため注意が必要です。
GLP-1ダイエットの注意点
GLP-1ダイエットをする際は以下の注意点に気をつけてください。
- すぐには痩せない
- 食べても太らないわけではない
- リバウンドの可能性がある
- GLP-1ダイエットが合わない人もいる
- 自己判断で投与しない
以下では、各注意点について解説します。
すぐには痩せない
GLP-1ダイエットをしたからといって、すぐに痩せるわけではないため注意が必要です。
GLP-1ダイエットで効果を実感するまでは個人差がありますが、一般的に2週間から1ヶ月程度時間がかかります。
つまり、スタートしてからすぐに体重が減るというわけではないため、注意が必要です。
しかし、GLP-1ダイエットを続ければ徐々に体重が減少する傾向があります。
効果を感じ始めるまでに時間がかかるかもしれませんが、辛抱強く続けることでダイエット効果を実感できるでしょう。
食べても太らないわけではない
GLP-1ダイエットは、薬の働きにより食事の摂取量を減らすダイエットであるため、薬を使用していても食事量が減らなかったり、逆に増えてしまったりすれば減量できません。
GLP-1ダイエットを行う場合は、薬を服用するだけでなく、食事の摂取量や内容にも注意が必要です。
GLP-1の働きを最大限に発揮するためには、必要に応じて食事制限を行う必要があります。
食べ過ぎや高カロリーな食事は、ダイエットの効果を損なう可能性があります。
ただし、GLP-1ダイエットで食事量を減らすと、栄養不足や健康リスクを引き起こすかもしれません。
そのため、必要に応じて栄養素を適切に摂取して健康的にダイエットを行いましょう。
リバウンドの可能性がある
GLP-1ダイエットはリバウンドしにくいといわれていますが、絶対にリバウンドしないというわけではありません。
GLP-1ダイエットでは、薬剤の作用により食欲が抑えられ、体重が減少します。
しかし、ダイエットを終えてから食事量を元に戻してしまうと、リバウンドする可能性があります。
GLP-1ダイエット中は少ない食事量でも満足考えられますが、ダイエットを終えてからは胃の容量も元に戻り、リバウンドのリスクが高まるでしょう。
リバウンドを防ぐためには少なくとも3ヶ月以上、GLP-1ダイエットを継続することが重要です。
GLP-1ダイエットが合わない人もいる
GLP-1ダイエットがすべての人に合うとは限りません。
薬の量を調節しても効果が得られない場合は、合っていない可能性があるでしょう。
GLP-1ダイエットは個人の体質や健康状態により効果が異なるため、一部の人にとっては合わないこともあります。
GLP-1ダイエットを行う際は、自身の健康状態を医師に相談し、GLP-1ダイエットを行っても問題ないか診察してもらったうえで実施しましょう。
自己判断で投与しない
GLP-1受容体作動薬は医師の処方箋が必要な薬剤であり、医師の指導の元で使用する必要があります。
自己判断でGLP-1受容体作動薬を投与することは、健康リスクを引き起こす可能性もあります。
GLP-1受容体作動薬は特定の条件や健康状態に応じて処方されるため、各患者さまにより適切な投与量や使用方法が異なります。
また、GLP-1受容体作動薬は副作用や相互作用があり、自己判断で薬剤を投与してしまうと副作用について適切に把握できない可能性があるでしょう。
GLP-1ダイエットを行う際は、必ず医師に相談し、指導を受けて行ってください。
GLP-1ダイエットが向いている人
GLP-1ダイエットでも人により向き・不向きがあります。
GLP-1ダイエットがとくに向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 食べすぎてしまう方
- 間食をしてしまう方
- 血糖値が上がりやすい方
- 忙しくて運動する時間がない方
以下では、GLP-1ダイエットが向いている人の特徴について解説します。
食べすぎてしまう方
GLP-1ダイエットは、ついつい食べすぎてしまう方に最適のダイエット方法です。
食べ過ぎてしまう方は、満腹中枢が正常に機能していない可能性が考えられます。
ストレスや感情の変化により、満腹中枢を刺激するホルモンの「レプチン」の働きが鈍くなり、食欲が制御しにくくなっているのかもしれません。
GLP-1ダイエットでは、満腹中枢を刺激するホルモンであるGLP−1の働きを活用し、満腹感を促進する効果が期待できます。
そのため、 GLP-1ダイエットをすることで満腹中枢が正常に機能しやすくなるでしょう。
間食をしてしまう方
食事をした後でもすぐにお腹が空いて間食してしまうという方は、胃腸の働きが活発になっている可能性があります。
食べ物をすぐ胃消化吸収してしまうと、お腹が空っぽになり再び満腹感が現れます。
しかし、GLP-1ダイエットでは、胃腸の働きを抑制させることが可能です。
GLP-1には胃酸の分泌量を減らす作用や腸の動きを抑制する働きもあります。
そのため、胃や腸に食べ物が長く残りやすくなり、空腹感が出にくくなるでしょう。
満腹感がある状態であると、間食したいという気持ちも起こりにくくなるはずです。
GLP-1ダイエットは食後の満腹感を促進し、食欲を抑制する効果が期待できるため、食事管理が難しい方やついつい間食をしてしまう方におすすめです。
血糖値が上がりやすい方
GLP-1ダイエットは、血糖値のコントロールが難しい人や血糖値が上がりやすい方に向いています。
肥満と血糖値の関係性は深く、急上昇する血糖値は脂肪の蓄積を促進します。
血糖値が急激に上がる方は糖が細胞に送られやすく、脂肪が蓄えやすい体質になっているでしょう。
GLP-1受容体作動薬は、もともと糖尿病の治療薬として使用されています。
GLP-1受容体作動薬はインスリンの分泌をコントロールし、食後の高血糖の上昇を抑える働きがあります。
また、GLP-1は胃の内容物をゆっくり消化させる効果もあり、食事からの糖の吸収が緩やかになり血糖値の急上昇を防止可能です。
そのため、血糖値が上がりやすい方はGLP-1ダイエットを行うといいでしょう。
忙しくて運動する時間がない方
GLP-1ダイエットは、忙しくて運動する時間がない方にも向いています。
仕事や家事で忙しい方は、運動する時間を確保することが難しいでしょう。
GLP-1ダイエットは、食事量を減らして摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくする方法のダイエットです。
上記のような方法では運動する必要がなく、食事制限だけで体重を減らすことができます。
また、GLP-1ダイエットは食事制限により満腹感を高める効果があるため、食事量を減らしても満足感を得られるでしょう。
運動する時間がない方でも食事制限するだけで体重を減らすことが出来るため、時間がない忙しい方には有効なダイエット方法です。
GLP-1ダイエットが向いていない人
GLP-1ダイエットをしたくても、してはいけない人がいます。
GLP-1ダイエットが向いていない人は以下のとおりです。
- 妊娠している方
- 授乳中の方
- 摂食障害の方
- 過去に腸閉塞になった方
- 薬により肥満になった方
- 腎機能障害がある方
以下では、GLP-1ダイエットをしてはいけない人の特徴について解説します。
妊娠している方
妊娠している方はGLP-1ダイエットをしてはいけません。
妊娠中の方は、胎児の健康と安全を最優先に考えることが大切です。
GLP-1受容体作動薬の安全性に関する詳細が証明されておらず、胎児への影響についてのリスクが不明瞭です。
そのため、妊娠中の糖尿病治療においても、GLP-1受容体作動薬の使用は控えられています。
GLP-1ダイエットを始める場合は、事前に妊娠していないかを確認して行わなければいけません。
また、妊娠が確定した場合はGLP−1ダイエットを中断する必要があります。
そのため、GLP-1ダイエットを始める時期を慎重に選び、医師と相談しながら行いましょう。
参考:最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え)|厚生労働省
授乳中の方
授乳中の方は、GLP-1ダイエットを控えましょう。
授乳期間中の母親がGLP-1受容体作動薬を摂取することに対して、赤ちゃんに及ぼす影響に関する安全性は確立されていません。
母乳は、母親の血液から作られます。
そのため、母親が摂取した薬物が微量であったとしても、母乳の中に分泌されてしまう可能性があります。
GLP-1受容体作動薬は、膵臓にGLP-1を運ぶ際に一部が血液に流れるため、授乳中の母親が摂取することは赤ちゃんへの安全性を阻害する可能性が考えられるでしょう。
そのため、授乳中の方は、GLP-1ダイエットを行うのは控えてください。
代わりに、赤ちゃんの健康を最優先に考えて、授乳期間を終えてからGLP-1ダイエットを検討しましょう。
参考:最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え)|厚生労働省
摂食障害の方
摂食障害の方はGLP-1ダイエットが向いていません。
摂食障害とは、食事の異常行動が続くことにより心身に影響がある病気です。
摂食障害の方は、自身で食べる量や食べ方を自分でコントロールできないなどの症状を抱えています。
そのため、食事のコントロールが不安定な状態で、GLP-1ダイエットによる食欲低下を引き起こすのは危険です。
GLP-1ダイエットは、食欲を抑制して食事量を減らすことが目的に実施されていますが、摂食障害の方はすでに食事制御が困難な状態であるため、逆効果になる可能性が考えられます。
摂食障害がある方は、GLP-1ダイエットよりも摂食障害の治療を優先する必要があります。
GLP-1ダイエットは、食事制御が安定している方には向いていますが、摂食障害の方には向いていないため、まずは医師と相談して適切なダイエット方法を検討してみましょう。
過去に腸閉塞になった方
腸閉塞とは腸管の内容物が詰まり、肛門側に移動できない状態をいいます。
GLP-1ダイエットには、稀に腸閉塞を引き起こす副作用が確認されています。
そのため、過去に腸閉塞になった方がGLP-1ダイエットを行うと、再発する可能性があるでしょう。
腸閉塞になったことがある方は、GLP-1ダイエット以外のダイエット方法を検討することが重要です。
薬により肥満になった方
薬の副作用により体重が増加してしまった方は、GLP-1ダイエットは向いていません。
GLP-1ダイエットで食欲を低下させても、薬による肥満の原因は解決されない可能性があるからです。
薬により肥満になった場合、GLP-1受容体作動薬や食事制限による食欲抑制が、体重減少に十分な効果が発揮できないかもしれません。
また、GLP-1受容体作動薬を投与したことによる血糖値の低下が、既存薬にどのように作用するかも不確かです。
自己判断でGLP-1ダイエットを始めることは危険であり、とくに治療中の薬物を服用している場合は医師の指示に従い、GLP-1ダイエットをしてもいいかどうかを診断してもらいましょう。
腎機能障害がある方
腎機能に重い障害がある場合、GLP-1ダイエットは避けましょう。
GLP-1ダイエットは膵臓からのGLP-1の分泌を促し、血糖値の調節が行われますが、その際に腎機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
GLP-1ダイエットの重篤な副作用として、腎不全や腎機能障害が挙げられます。
また、副腎機能不全がある方も低血糖の発症のリスクが高まるため、GLP-1ダイエットに向いていないでしょう。
腎機能症状を悪化させないためにも、GLP-1ダイエットを行う際は必ず医師に相談してから行うことが重要です。
参考:最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え)|厚生労働省
GLP-1ダイエットまとめ
本記事では、GLP-1ダイエットについて解説しました。
GLP-1ダイエットは、食欲を低下させる効果があり自然と体重を減らす効果があります。
しかし、薬を投与するだけで痩せることは困難であるため、食事バランスを整えたり、適切な運動を行ったりすることが重要です。
また、GLP-1ダイエットを行う際は、医師の指導を受けて適切に実施することが何よりも大切です。
GLP-1ダイエットをご検討中の方は、ぜひ本記事を参考にして医師に相談してみてください。